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now&then -ヘアスタイリストの現在地-#18 佐藤比香瑠(SHEA) アシスタント時代からメディアへ露出していた一方で苦悩も

now&then -ヘアスタイリストの現在地-#18 佐藤比香瑠(SHEA) アシスタント時代からメディアへ露出していた一方で苦悩も

 人気美容師の過去と今をひも解く連載第18回。今回フォーカスするのはSHEAの副店長・佐藤比香瑠さん。美容師、ヘアメイク、コンテスターの顔を持ち、”努力しないと人並みになれない”と奮闘してきた美容半生。「負けず嫌いなんです」という彼女の素顔に、自身が撮影した写真とともに迫ります。

#18 佐藤比香瑠 さとうひかる 
インスタグラム
1995年4月21日生まれ。山梨県出身。東京文化美容専門学校卒業後、都内1社を経て、SHEAに参加。現在、SHEA 副店長/トップデザイナー。20代から50代と幅広い顧客層に支持される似合わせカットを得意とする。Instagramではメイクやヘアアレンジ動画など独自の発信を続けている。

【店舗プロフィール】
SHEA シア
高い技術力で、日常にとけ込む心地よいヘアスタイルを提供する美容室。現在、表参道店・青山店・学芸大学店の3店舗を展開中。ライフスタイルに寄り添うSHEAのヘアデザインは、どんなシーンでもその人を輝かせる。実力派のヘアデザイナーが多く在籍し、メディア露出も多数。

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ー美容師になったきっかけを教えてください。

 美容師になりたいという気持ちは小さい頃からありました。友達や母の髪をセットしたり、眉を少し整えてあげたりしたときに「喜ばれる」という感覚がすごく嬉しいことなんだと、年を重ねるごとに実感するようになったことが大きいかもしれません。

 本気で目指そうと決めたのは中学生のとき。当時山梨県内の美容室に通っていたのですが、担当の美容師さんに「それなら絶対東京に出たほうがいいよ」と言われたのがきっかけで、じゃあもう高校から東京に行っちゃおうかなと。

高校から上京!?

 はい、母親にも相談して、東京の公立高校に通いながら一人暮らしをさせてもらえることになったんです。今思うと母は大きく背中を押してくれる存在だったんだなと感じます。本当にありがたかったです。

 在学中はいろんな美容室に行き、東京の友達と一緒にファッションやメイクを学ぶことができたので、早めに東京に出てよかったと思っています。

白い服を着た女性

ファッションが大好きだという佐藤さん。「でも、最初は感覚がズレていた気がしていて(笑)。先輩方に教わりながら、だんだん自分に似合う服やセンスのいい服を身につけられるようになってきた気がします」(佐藤)

ーその後は美容学校へ?

 自分で学費を払うために、ちょっとでも安いところを探して入学しました。1番の目的は美容師になることだったので。

 練習は頑張って取り組んでいたのですが、とにかく私は不器用だったので「みんなと同じくらいにならないと!」と思いながらいつも必死でした。「努力しないと人並みになれない」と感じていたので、自分に残されているのは努力することしかないなと思って。負けず嫌いというのもあるのですが(笑)。

ー就活はどのようにしましたか?

 ヘアメイクのお仕事もできる青山・表参道エリアの美容室に就きたいという気持ちがありました。でも、いわゆる大手サロンに行く勇気はなくて…。たくさんの人の中でやっていく自信がなかったんです。だから、規模は少し小さめで柔らかい雰囲気のところを探して、見つけたのが1社目の美容室でした。

女性のアップ写真

顔周りとシースルバングの組み合わせがポイントのヘアスタイル。「顔周りのカットは小顔にも見せられるし、おしゃれ度もアップさせられる優れものです。透け前髪で、抜けを出すのが今の推しスタイルです」(佐藤)

ースムーズに就職できたのでしょうか?

 実は、入りたいと思ったときにはすでに募集期間が終了していました。それでも諦めきれず、当時、入りたいと思っていた美容室に在籍していた坂狩(現・SHEA代表)にお客さんとして切ってもらっていたので、「入社試験を受けたいです」と直談判。「履歴書だけ送ってみたら」と背中を押してもらい、どうにか面接だけは受けられたのですが、やはり定員オーバーで落ちてしまったんです…。

男性2人と女性1人

代表・坂狩さん(右)と店長の高遠さん(左)との3ショット。「店長の高遠は、誰よりも気軽に話せるお兄ちゃんみたいな存在。坂狩は、人思いで、真っ直ぐで熱い人。一緒に仕事をするだけで毎日が学びの連続です」(佐藤)

ー別の美容室は探そうと思わなかった?

 しっくりくるところが他になかったんですよね。1年後にもう1度受けようかなと考えていたときに、突然電話が掛かってきて「辞退者が出たので2次面接を受けてもらえませんか?」とチャンスが来たんです!その後、無事に内定をいただくことができました。

ー美容師1年目を振り返るといかがですか?

 私、本当に仕事ができなかったんです。カラー剤すら作れなくて、「美容師向いていないんじゃないかな」って思ったくらい。

 当時は同期がもう1人いて、その子はすごく仕事ができる子だったんです。その子と何もできない自分が比べられるのが辛くて、辞めたいと思ったこともありました。でも、夢だった表参道エリアのお店で働けていることと、今の環境は恵まれているいうことを思い返して、何とか頑張ってみようと努力を続けました。

ー大変な状況だったんですね。

 ある先輩から掛けられた言葉を今でも覚えています。「今、自分ができないと思っているでしょう。あなたはすごく真っ直ぐな人だから、周りが見えなくなっちゃうんだろうね。でも真っ直ぐでいられるってことは、すごく素敵なことなんだよ」と、何もできない私に声をかけてくれたんです。その先輩は私の悪いところじゃなくて、良いところを見つけてくれた。私もそういう人になりたいと思いました。

ーその後、SHEAにはどのように参加したのでしょうか?

 1社目がなくなるタイミングで坂狩がSHEAを立ち上げるという話になり、ご一緒させていただきました。「この人に教わりたい。この人に絶対ついていきたい!」という気持ちで迷いはありませんでした。

ーメイク動画の発信もしている佐藤さん。いつ頃始められたのでしょうか?

 当時、カットがあまり得意ではなかったので「自分にできることはメイクなのかも」とメイク動画は1年目から始めたんです。そのときはメイク動画を発信している人があまりいなかったというのもあって、まだアシスタントなのに雑誌やメディアでメイクのお仕事をいただける機会が結構ありました。

コスメアイテム

お気に入りのコスメ。「メイク動画を見て来てくださるお客さまもいるので、続けていきたい。雑誌には載っていないような”佐藤比香瑠流”のメイクの発信ができたらいいなと思っています」(佐藤)

ーアシスタント時代からメディア露出があるなんてすごい!

 3年目のとき、そろそろちゃんと髪に向き合わないといけないなと思って、練習に本腰を入れ始めました。デビュー目前にですが、武器を増やしたくてヘアアレンジの動画の発信も始め、根気強く続けていたら、今度はヘアアレンジでメーカーさんやメディアの方からお仕事の声がかかるようになって。ありがたいことに、パンフレットの表紙やセミナー講師などの依頼をいただくようになったんです。

ーアシスタントで、セミナー講師を任されるってすごくないですか。

 でも、それが恥ずかしくて…。ほかのセミナー講師陣の肩書は「店長」や「トップデザイナー」なのに、私だけデビューしていない「アシスタント」。なんだか申し訳なくなり、早くデビューしなくちゃという気持ちも強くなっていきました。ちょうどデビュー試験がセミナーのお仕事の2ヶ月先だったのですが、試験を早めてもらいセミナーの前になんとか合格。3年半かかりましたが、デビューできたんです。セミナーでの肩書も無事に「ヘアスタイリスト」にしてもらいました(笑)。

ーこれまで辛かった経験はありますか?

 デビュー後、売上が全然なかった時期は辛かったですね。インスタグラムの発信はメイクやヘアアレンジに特化していたので、あまり集客には結びつかず苦戦しました。そこからは、直接お客さまをハントをしたり、自作のチラシを配ったりと地道に頑張った結果、自力で月売上80万くらいまでは達成したかなと思います。

ー現在は「副店長」ですが、いつごろ任されたのでしょうか?

 デビューした翌年には副店長でした。

ーえっ、早すぎる!

 私もびっくりしました(笑)。その頃は売上も全然ない時期で、がむしゃらにやっていた時期だったので…。

ーでもきっと佐藤さんに任せたくなる何かがあったのだと思います。

 自分のことにも必死でしたが、同時に後輩もできたので「どうしたら下の子たちを成長させられるか」と当時はいつも考えていて。個人的に続けていた撮影で、有志の後輩たちを呼んで指導するようになり、今思えばもしかしたらそういった姿を見て評価していただいたのかなって。

女性3人

練習会で後輩を見ている様子。「技術はもちろん、工程や効率、そしてカットするときに姿勢なども教えるようにしています。下の子たちがお客さまに褒められることが、私の喜びのひとつでもあります!」(佐藤)

男女8人の集合写真

表参道店のゆかいな仲間たちです(笑)。みんなすごく素直で良い子ばかり。下の子から学ぶことがたくさんありますし、本当に環境に恵まれているなと思います(佐藤)

ー佐藤さんは無類のコンテスターでもあります。チャレンジし始めたのはいつごろでしょうか?

 2年目から挑戦し続けています。結果を出したいという気持ちもありますが、普段のサロンワークではやらないクリエイティブなスタイルを作ると学びがあるんですよね。毎回悔しい思いをしながら自分がどんどんレベルアップしているような気がしていて。それが挑戦し続ける理由の1つかなと思います。

美容師の練習風景

ウィッグカットを練習中。年明けのコンテストを目指しているという。「まだ構想は固まっていませんが、今まで作ったことのないような作品にしたいと思っています」(佐藤)

ー最後に、10年後の目標を教えてください。

 とにかく「美容師」が好きなので、10年後も変わらずお客さまもスタッフも幸せにしたい。そのためには技術はもちろん、人として進化し続けたいなと思っています。正直、ビッグになりたいという野望みたいなものはあんまりなくて、ただ、美容師として輝いていたい。それが誰かにとって良い影響になれば嬉しいです。

 また、私にとって家庭もすごく大事な存在。もしかしたら10年後、家族が増えているかもしれないので、どうやって大好きな仕事と両立できるかということを今考えています。美容師としても、一人の女性としても、かけがえのない存在になりたいです。

夫婦と猫

愛猫と夫で美容師のkazuさん(SYUK)との一枚。「美容師同士の夫婦で良かったなと思います。夫のことを美容師としても、人としても、すごくリスペクトしているので、いつも学びばかり。家では美容の話をたくさんしています」(佐藤)

(写真:佐藤比香瑠、企画・編集:福崎明子、山本真由香)

編集者、ライター

宮本香菜

出版社2社を経て独立。書籍の企画・編集、ブックライティング、記事等のインタビューなど活動中。ペンギンが好き。「now&then」の聞き手、文を担当する。

FASHIONSNAPでは、ビューティ/ウェルネス専用のInstagramとTwitterも更新中。新作や最旬トレンドのほか、記事には載らない情報もお届けしています。ぜひチェックしてみてください!
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