トレンドの最前線を行く者、映画の最新作も気になるはずーー。今月公開が予定されている最新映画の中から、FASHIONSNAP.COMが独自の視点でピックアップする映画連載企画が始動！ジャンルを問わず、気になる3タイトルを紹介します。5月に公開が予定されている映画から、マシュー・マコノヒー×ガイ・リッチーが英国紳士のクライムアクションを描く「ジェントルメン」や、トーキング・ヘッズ（Talking Heads）の元フロントマン、デヴィッド・バーン（David Byrne）とスパイク・リー監督が初タッグを組んだミュージカル映画「アメリカン・ユートピア」などをセレクト。編集部員によるゆる〜い座談会付きで今月注目の映画3本を紹介します。

今月の気になる映画は👀？

ジェントルメン

　いまだにカルト的な人気を誇るクライム・アクション映画「ロック、ストック&トゥ ー・スモーキング・バレルズ」でデビューを果たしてから23年。ブラッド・ピット主演の「スナッチ」や、実写版「アラジン」などで知られているガイ・リッチー監督（歌姫マドンナの元夫！）の最新作「ジェントルメン」が、5月7日に全国ロードショー。2022年に行われるテキサス州知事へ立候補するのでは？と最近何かと話題を集めている俳優のマシュー・マコノヒーが主演を務めるほか、「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」への出演が記憶に新しいコリン・ファレル、英国ラブコメ界の帝王とも言われているヒュー・グラントなど超豪華キャストが勢揃い。前作の「アラジン」とは打って変わって、ガイ・リッチー監督の原点回帰とも言える同作品は要チェック。

気になるあらすじは？

　舞台は、現代のロンドン。大麻の大量栽培と販売で一代で財を成したアメリカ人マリファナ王 ミッキー・ピアソン。ミッキーがパブで電話をしている背後に銃を構えた男が立ち、銃声が鳴り響いた瞬間ビールグラスが血に染まるところから物語は始まる。ミッキーは総額500億円といわれている大麻ビジネスを、全て売却して引退するというウワサが街に広がっていたばかり。銃を構えていたのは果たして誰なのか？ミッキーの右腕 レイに、ユスリ話を持ちかけるゲスい私立探偵 フレッチャー、強欲なユダヤ人富豪にチャイニーズマフィア、ロシアンマフィア、挙げ句の果てには下町のチーマーたちまでもが500億円の利権を巡るダーティーでスリリングな駆け引きを繰り広げる。

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一足先に「ジェントルメン」を観た、同い年編集部員2人による ゆる〜い座談会

フルカティ：普段はアートやカルチャー関連のほか、東京のデザイナーズブランドなど担当。テレビ東京の深夜ドラマ「来世ではちゃんとします」に今更ハマり、人生で初めて塩顔男子に開眼（松田くん派）。

マサミーヌ：普段はビューティーやコスメ関連の記事を担当。オタク気質で、アイシャドウパレットを肴に酒が飲める。最近はバレエとオーケストラ鑑賞にハマり中。

フルカティ：メインヴィジュアルを見た時、フォントデザインだけで「キングスマンのスピンオフ？」と思ったけど、全然関係なかった（笑）。

マサミーヌ：同じロンドンが舞台だしね（笑）。アメリカでは「ジェントルメン」のドラマ化が決まったらしいよ。

フルカティ：それは、映画配信サービスでってこと？

マサミーヌ：アメリカの「ミラマックスTV（Miramax）」というところが制作するようなので、テレビシリーズ化だね。テレビ版もガイ・リッチーが監督・脚本を手掛けるみたい。

フルカティ：元々、テレビシリーズ化するつもりで脚本を作っていたようだから楽しみだな〜！日本でも観られる日が待ち遠しい！

マサミーヌ：会話のテンポも良いし見やすかったよね。

フルカティ：ヒュー・グラント演じる私立探偵フレッチャーが、わかりやすいストーリーテラーというのもあるんだけど「映画の中の映画」を見ている感覚にならなかった？

マサミーヌ：わかる。あらすじだけ読むと「ギャングの利権争い」みたいな内容だし、登場人物多そうだったから「頭使うかな」と思ったけど、すごい痛快なアクション映画だったよね。

フルカティ：私はガイ・リッチー作品だとブラピが主演を務めた「スナッチ」が好きなんだけど、ちらほら「スナッチの再来だ！」とコメントしている人もみかけた。

マサミーヌ：ヒュー・グラントといえば、「ブリジット・ジョーンズの日記」や「ノッティングヒルの恋人」とか、ラブコメのプリンスとしてのイメージが強かったけど今作はいい意味で裏切られたよ〜。

フルカティ：ガイ・リッチー監督は、衣装へのこだわりがある人でも有名だけど、何か気になったところあった？

マサミーヌ：主人公ミッキーの右腕、レイは作中ずっとネイビー系の服しか着ていなかったんだよね。役所的にも「組織のブレーン」という立ち位置だったから、衣装で知的な雰囲気を醸し出していた気がする。

フルカティ：ミッキーの妻ロザリンドは、「バルマン（BALMAIN）」や「ステラ マッカートニー（STELLA McCARTNEY）」、「ラルフ ローレン（Ralph Lauren）」とかを着用していたけど、何よりも印象的だったのは「クリスチャン・ルブタン（Christian Louboutin）」のヒール。

マサミーヌ：カメラアングルも含めてわかりやす過ぎるくらいルブタンだったね（笑）。スーツやハイブランドばかりを着ている登場人物との対比として面白かったのは、コリン・ファレル演じる、若いはぐれ者たちのグループを率いるボクシングコーチ。品のない着こなしなんだけど、トラックスーツ自体の仕立てはすごいちゃんとしてなかった？

フルカティ：この映画のために、英国風のスーツ用生地を使って仕立てたらしい。衣装で、属す階級によって「英国風」の解釈が異なることうまく表現しているよね。それにしても、コリン・ファレルは良いキャラだったな〜（笑）！

■ジェントルメン
公開日：2021年5月7日（金）
上映時間：113分
監督：ガイ・リッチー
出演：マシュー・マコノヒー、チャーリー・ハナム、ミシェル・ドッカリー、ジェレミー・ストロング、コリン・ファレル、ヘンリー・ゴールディング、ヒュー・グラント、ジェイソン・ウォン、クリス・エバンジェルー、エリオット・サムナー
公式サイト

その他の今月の気になる映画

アメリカン・ユートピア

デヴィッド・バーンとスパイク・リー監督が初タッグ！

　バンド、トーキング・ヘッズの元フロントマンで、グラミー賞受賞経験もある デヴィッド・バーンと、スパイク・リー監督が初タッグ！音楽映画「アメリカン・ユートピア」の原案は、デヴィッド・バーンが2018年に発表した同名アルバム。同作品は2019年にブロードウェイショーとして公演され、斬新な内容が注目を集めました。反響を受けて映像化を考えたバーンが、リー監督に声をかけたことで、映画という媒体での再構築が実現したとか。物語は、バーンの「人間の脳は成長と共に衰えていくものなのか」という問いかけから始まり、人種問題や銃問題、コミュニケーションの大切さ、選挙の重要性など、現代社会の問題を楽曲とウィットに富んだMCを用いてシニカルに表現されています。

■アメリカン・ユートピア
公開日：2021年5月28日（金）
上映時間：107分
監督：スパイク・リー
出演：デイヴィッド・バーン、ジャクリーン・アセヴェド、グスタヴォ・ディ・ダルヴァ他
公式サイト

茜色に焼かれる

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©2021「茜色に焼かれる」フィルムパートナーズ

日本アカデミー賞有力候補と早くも話題。　

　松田龍平主演の映画「舟を編む」で、第86回アカデミー賞外国語映画部門日本代表作品に史上最年少で選出された石井裕也監督最新作がいよいよロードショー。理不尽な交通事故で夫を亡くした演劇経験者で芝居のうまい母 ・田中良子と中学生の息子・純平がたくましく前向きに生きる姿が描かれる本作。物語では「コロナ禍」での生活が描かれるなど、現代日本社会の世相が色濃く反映されており、4年ぶりに主演を務めた尾野真千子が「第45回日本アカデミー賞 主演女優賞にノミネートされるのでは？」と早くも話題を集めています。

■茜色に焼かれる
公開日：2021年5月21日（金） TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開
上映時間：144分
監督：石井裕也
出演：尾野真千子、和田庵、片山友希、オダギリジョー、永瀬正敏