森永邦彦が手掛ける「アンリアレイジ」が9月26日、2024春夏コレクションをパリで発表した。毎シーズン斬新なコレクションと演出で会場を驚かせるアンリアレイジだが、今回は無色透明から色を生み出すという新しい挑戦が視線を集めた。

透明素材から色が現れる

　前シーズンに続き、今回のコレクションにも紫外線を当てると色が浮き上がってくるフォトクロミックを使用したルックが登場。透明なウエアが、紫外線ライトを浴び、色とりどりに変化するさまを、多種多様に魅せた。

Image by ©Koji Hirano

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　シーズンテーマは「INVISIBLE」。"目に見えないもの"という意味の通り、透明のPVC素材がコレクションのメインに使われた。こちらはオリジナルのPVCで、もちろんエコフレンドリーな材料を使用している。

　「これまでは『色が変化する』だったが、今回は『透明から色を生み出す』ことを目指した」とデザイナーの森永が語る通り、前回のフォトクロミックから、さらに進化した形だ。

Image by ©Koji Hirano

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服の造形にも"目に見えない"こだわり

　また「服の造形も"目に見えない"もので形作ろうと考えた」と森永。そのこだわりのひとつは、目に見えない"空気"によるユニークなキルティング。もう一つは、同じく目に見えない"時間"をかけて丁寧に手作業したアイテムを指している。パッチワークや刺繍などのハンドクラフトと、最新技術が調和したアイテムにも注目したい。

Image by ©Koji Hirano

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万華鏡のような煌めきを放つフィナーレ

　終盤に登場したのは、透明な状態からデザインが浮かび上がる華やかなルック。万華鏡を思わせる複雑な色に染まり、さまざまな光源に順応して色の見え方を変え、やがて最初の透明な状態に戻る。

Image by ©Koji Hirano

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　ラストの2体は、アンリアレイジのシグネチャーであるパッチワークを透明素材で作り上げている。フィナーレでは、中央に立つ2人のモデルは空気の服をまとい、周りをパレードする人々はセカンドスキンのようなボディスーツのみ。服を着ているのか着ていないのか。見えているのか見えていないのか、森永は童話になぞらえて「裸の王様の真逆の発想です」と表現した。

　アンリアレイジがフォトクロミックに挑戦し始めてから10年。PVC素材のブーツ、3Dプリントされたフラットシューズ、さらに60年代風のフューチャリスティクなサングラスまで、抜かりなく最新テクノロジーを駆使した、アンリアレイジらしいコレクションとなった。

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ANREALAGE 2024年春夏コレクション

2024 SPRING SUMMERファッションショー