「ステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)」が、初の野外でのショーをパリ4区の総合文化施設・ポンピドゥーセンター前の広場で、2023年サマーコレクションを発表した。あらゆる分野の芸術や音楽、映画を発信する場所にふさわしい、アートとファッションを融合したコレクションとなった。
ステラ流のY2Kファッション
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2023年はレディ トゥ ウェアの87%を持続可能な素材で構成した、ブランド史上もっともサステナブルなコレクション。オーバーサイズのブレザーにアシンメトリースカートとネットストッキングを合わせたルックで中に着たのはゴールドチェーントップ。これはステラが「クロエ(Chloé)」のクリエイティブ・ディレクターを務めていた2000年スプリングコレクションで発表されたもので、復刻版として登場した。他にローライズのボトムスなど、Y2Kムードあふれるルックがコレクションを彩った。
奈良美智とのコラボレーション再び
中盤にフィーチャーされたのは、日本人アーティスト・奈良美智の作品だ。2021年春夏に発表されたカプセルコレクション「ステラ マッカートニー シェアード」に続き、今回で2度目のコラボレーションとなる。
今シーズンは、彼のアートワークにも登場する“CHANGE THE HISTORY(歴史を変えろ)”という力強いメッセージがインスピレーションとなり、ショーでは各座席にもスローガンが置かれた。奈良の代名詞である少女像がクリンクルニットドレスやTシャツなどにあしらわれ、存在感のあるルックを完成させた。今年12月には、同コラボレーションによるユニセックスのカプセルコレクションも発売予定だ。
ハディッド姉妹、そしてあの伝説的モデルも
カラフルなランウェイを歩いたモデルたちも豪華な顔ぶれ。ジジ(Gigi Hadid)&ベラ・ハディッド(Bella Hadid)の姉妹共演、そして90年代に「ツイッギーの再来」とも呼ばれ2000年代にマッカートニーのショーでもウォーキングしていたスーパーモデル、アンバー・ヴァレッタ(Amber Valletta)が黒のオーバーオールのスーツスタイルでラストルックに登場。
ベラが着用した、サイドをカットアウトしたローライズパンツもアイコニック。また、アンバーの着用していたデニムは、レザーの代替素材であるオルターマットを「チャップス(カウボーイ用のパンツカバーや騎手の装具)」風に組み合わせたデザインだ。
エシカルなバッグ&シューズ
アクセサリーで目を引いたのは、パファー素材の「フレイム(Frayme)」バッグ。アイコニックな「ファラベラ(Falabella)」は今回、クラッチバッグとして登場した。また、「S ウェーブ(S-Wave)」のショルダーバッグにはブドウ由来のレザーの代替素材を、「フレイム マイロ™(Frame Mylo™)」にはキノコの地下根系である菌糸体を採用するなど、環境への配慮も忘れない。
さらに、クッションソールとヒールが特徴の新作ヴィーガンストラップサンダル「オパンカ(Opanca)」やフィッシュネットストッキングサンダルが足元にアクセントを加えた。
テーラリング技術への自信
ポンピドゥーセンターのカラフルなファサードとも呼応した鮮やかで軽やかなラインナップだが、いずれのアイテムもサヴィルロウ仕込みの巧みなテーラリングが印象的。フィナーレにはステラが黒のパンツスーツで登場し、喝采を浴びた。
会場には、ステラの父であるポール・マッカートニー(Paul McCartney)も駆けつけた。他に、ビル・ゲイツ(Bill Gates)の娘であるフィービー(Phoebe Gates)、マイケル・ジャクソン(Michael Jackson)の娘であるパリス(Paris Jackson)、カーラ・デルヴィーニュの姉でありモデルでソーシャライトのポピー(Poppy Delevigne)、アーティストのジェフ・クーンズ(Jeff Koons)など豪華ゲストがコレクションを祝福した。
ポール・マッカートニー(中央)
Image by FASHIONSNAP
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