川辺が「クリード」の独占輸入販売権取得　ロザラムCEO「200年以上の歴史を背景に存在感発揮へ」

　川辺が、このほどケリングボーテの傘下に入ることを発表した老舗フレグランスブランド「クリード（CREED）」の日本における独占輸入販売権を取得した。8月30日、伊勢丹新宿店にショップをオープンし、日本での再出発を図る。

　クリードは1760年に洋服のテーラーとしてロンドンに開業した老舗ブランド。イギリス国王ジョージ3世に香りのついた革手袋を届けたと伝承されていることから、ここが香りの歴史のスタートとされる。その後、ヴィクトリア女王やウジェニー皇后とその夫であるナポレオン3世など王室のメンバーに愛され、テーラー技術とオーダーメイドのフレグランスで、英・仏2拠点を中心に名声を高めてきた。中でもフレグランスは、7世代に渡って受け継がれてきた独自のクリエイティビティで200種類以上を創り出している。

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　クリードのサラ・ロザラムCEOは「それまでテーラーを中心としていたクリード家が、6代目のオリヴィエ・クリードから香りを追求し現在に至る。オリヴィエは子どもの時から香りに興味を持ち、地下で香りづくりをしたと聞いた。家業を継ぐとなった時に、フレグランスの道を選び、最高品質のアイテムを創ることを目指し、産地をめぐり、香料を探求して開発。“Seed to Scent（原料から製造まで）”をモットーに、すべてを自社で展開している」と語る。現在は、息子である7代目のアーウィンとともに世界各地を巡り、各年の収穫物の中から最もピュアな天然原料を厳選。パリの自社ラボラトリーで独自の昔ながらの技法を採用し、手作業で計量、熟成して最高品質の天然のエッセンシャルオイルを用い一気通貫のモノづくりを大切にする。

　代表的なアイテムは、ドラマチックな人生を送った歴史上の皇帝をインスピレーション源に、その力強さやパワー、成功を表現した「アバントゥス」。アバントゥスオーデパルファム（50mL 税込3万7400円、100mL 同5万3570円）は、レモンやピンクペッパー、イタリア産ベルガモットのヘッドノートで五感を刺激し、ジューシーなパイナップル、ジャスミンなどでフローラルなハートノートが続く。最後は、クリードのみに生産されているバーチや、クリードのシグネチャーであるアンバーグリスなどでウッディなベースノートで締め括る香りだ。オリヴィエ・クリードが5年以上の歳月をかけて創り出した「ウインドフラワーオーデパルファム」（75mL 同4万8290円）は、風に乗って流れるように舞うダンサーの動きに宿る、独特な優雅さと強さの融合からインスピレーションを得た香り。フローラルでフレッシュなヘッドノートから、ジャスミンやチュベローズの花びら、ローズエクストラクトの力強いハートノートに続き、プラリネで温かさを加え、ダンサーの舞う空気感をイリスで表現したフローラルがベースに香る。

　また初めてクリードを試す人やギフトにも最適な10mLサイズの3本セットも揃える。「アバントゥスフォーハーオーデパルファム」「ラブインホワイトオーデパルファム」「ウインドフラワーオーデパルファム」を組み合わせた「クリードディスカバリーギフトセットフォーハー」と、「アバントゥスオーデパルファム」「シルバーマウンテンウォーターオーデパルファム」「グリーンアイリッシュツィードオーデパルファム」を揃えた、「クリードディスカバリーギフトセットフォーヒム」（ともに10mL×3 税込2万3100円）を展開する。

　このほどケリングボーテの傘下に入ることになったクリード。ケリングボーテCEOのラファエラ・コルナッジャ氏は「クリードのロザラムCEOとそのチームと共に、クリードの世界的な成功を推進し続けることを楽しみにしている」と語り、ケリングボーテにとっても期待が大きい。ロザラムCEOは、「ミラーハリス（Miller Harris）」や「ペンハリガン（PENHALIGON'S）」、「ラルチザンパフューム（L'ARTISAN PARFUMEUR）」といったフレグランスの老舗ブランドでCEOを歴任するなど、20年以上に渡りフレグランス業界に従事。今後のクリードについて、「香りのクリエイティブは創業家のクリード家がフォーカスし、われわれはその想いを同じに、ビジネスを拡大する」という。日本のビジネスについては、「再出発となる。他国でのビジネスと同様に、高い技術力、品質を裏付けする長い歴史、ヘリテージを発信し存在感を発揮したい。そのために伊勢丹新宿店をスタートに、世界観を見せられるブティックを出店していきたい」と意気込みを語った。