「エイポック エイブル イッセイ ミヤケ（A-POC ABLE ISSEY MIYAKE）」が、東京大学発のスタートアップ企業Nature Architectsと共同で、イッセイ ミヤケの独自の製造技術「スチームストレッチ（Steam Stretch）」を応用した設計製造技術を開発した。プロダクトを最小限の縫製で仕上げることができ、プロトタイプとして製作したジャケットをミラノデザインウィーク期間に「イッセイ ミヤケ （ISSEY MIYAKE）」のミラノの旗艦店で開催される特別展で展示する。期間は4月18日から23日まで。

　Nature Architectsは、東京大学総合文化研究科出身の大嶋泰介が2017年5月に設立。「ユーザーが求める機能から逆算してプロダクトの形状を決定する」ための設計アルゴリズム群「DFM（Direct Functional Modeling™）」を用いた設計や研究を開発を行っており、自然界に存在するもの以外の特性を持つように設計された「メタマテリアル」を活用した最先端の設計技術を製造業メーカーに提供している。

　今回は、高温の蒸気を当てることで布を縮め、独自のストレッチ素材を産み出す製法であるスチームストレッチをもとに、Nature Architectsが狙った立体に変形するために必要な布の収縮パターンを計算。複雑なプリーツ形状の展開図を自動生成するアルゴリズムを開発し、設計プロセスの自動化と効率化を可能にしたことで、熱を加えるだけで布が立体化する服の製作を可能にした。同技術はアパレルのほか、家具や照明などのさまざまなアプリケーションに応用でき、車載部材や建築部材に用いる衝撃吸収素材や複数部品で構成される部材の一体化と軽量化などに役立てることができるという。

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NOBUYUKI HAYASHI

■特別展「THINKING DESIGN, MAKING DESIGN: TYPE-V Nature Architects project」
期間：2023年4月18日（火）〜23日（日）
会場：ISSEY MIYAKE / MILAN
所在地：Via Bagutta 12, 20121 Milano Italy
営業時間：10:00〜19:00