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業界人が期待するほどにはシーインの知名度も利用率も高くなかったというアンケート結果

業界人が期待するほどにはシーインの知名度も利用率も高くなかったというアンケート結果

繊維業界記者・ライター兼広報アドバイザー
南 充浩

昨年10月・11月と大々的に報道されたシーインだが、12月に入ってからすっかり鳴りを潜めたように感じる。

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これは当方がテレビ番組をほとんど見ないのということもあるのだろうが、当方の生活範囲内でいうと、2、3本の業界ウェブメディアでニュースを見かけた程度である。

10月・11月の熱狂ぶりは何だったのかと思うが、正直なところ、当方もシーイン関連でいくつかのテレビ番組に出演させてもらったが、当方が好むタイプの識者からは政治的側面も含めて厳しい指摘が相次いだので、そういう意味でプロモーションを控えているのではないかと勝手に推測している。しらんけど。

そんなシーインだが、当方の身の周りではメディアが煽るほどのヘビーユーザーは見たことがなく、業界から遠い人ほどシーインへの関心・興味は薄いと感じる。

某コンサルが「シーインの日本国内売上高は1400億円」と推測していたことがあったが、ユニクロの国内ネット売上高と同等かそれ以上まで売れているとは、周囲の雰囲気を見ていても感じられず、他のネット記事で「国内売上高は300億円」と推測しているものがあったがそちらの方が実態ではないかと考えられる。

とはいえ、シーイン自体は何も数字を公表していないから、ぶっちゃけていうと2兆何千億円という売上高も本当かどうかはわからないと思っている。

そんな中こんな記事が掲載された。お読みになった方も多いと思うが改めて記録を兼ねてご紹介させていただく。

SHEINに関するアンケート調査を実施、「利用してみたいと思わない」と回答した人が4割に (fashionsnap.com)

Lineのアンケート調査をまとめた記事なので、わけのわからないウェブマーケティング調査会社のアンケート結果よりもウェブ関連に興味の薄い大衆の意見に近しいのではないかと見ている。

同アンケートでは、シーインの認知率や利用意向などについて調査。シーインの認知は、全体で「知っているし、買い物をしたことがある」と「知っているが、買い物をしたことはない」と回答した人が合わせて5割弱となり、「知っているし、買い物をしたことがある」という利用経験者は約1割となった。男女別では、女性の方が男性に比べて認知している割合が高くなり、女性の10~20代の認知は8割以上、10代女性では5割を超える人が「知っているし、買い物をしたことがある」と回答。男性も10代と20代で、ほかの年代と比べて認知が高くなった。

 利用意向ではシーインについて説明をしたうえで、シーインを利用したいと思うかを調査。全体では「ぜひ利用してみたいと思う」と回答した人が1割未満、「機会があれば利用してみたいと思う」という人が2割超となり、3割強の人が「利用してみたいと思う」と回答した一方で、「あまり利用してみたいと思わない」と「まったく利用してみたいと思わない」を合わせた「利用してみたいと思わない」と回答した人は4割台となった。男女年代別では、女性10代で4割台半ば、女性20代で2割台半ば、男性10代で2割弱の人が「ぜひ利用してみたいと思う」と回答。また「知っているし、買い物をしたことがある」と回答した人の今後の利用意向は「ぜひ利用してみたいと思う」が約5割、「機会があれば利用してみたいと思う」が4割弱となった。

この記事にはグラフの画像が4つあってそれぞれ詳細に見られるのでそちらも見てもらいたい。

1枚目の年代別グラフを見ると、「知らない」と答えている人は10代女性と20代女性が少なくて、それぞれ14・3%と7・6%になっている。しかし、それ以外は「知らない」人の比率は結構高くて30代女性・40代女性で30%となっている。

しかし、「知っている」ことと「利用している」ことは別である。知っていても利用しているとは限らない。

10代女性は「知っていて買い物をしたことがある」のは最も多くて51・4%、ついで20代女性27・8%となっているが、30代女性以降は軒並み低い。30代・40代でそれぞれ17%となっており、50代だと10%に過ぎない。

シーインの期間限定店を見たが、メンズ商品は少なかったから男性は軒並み「知らない」「知っているが利用したことがない」比率が高い。10代男性でも43・2%が知らないし、43・2%が利用していない。

20代男性が利用したのはわずか6%しかない。30代以降の男性の利用率はもっと低くなる。

また、2枚目のグラフでは「ぜひ利用してみたい」という答えが突出して高いのは10代女性で45・7%あるが、20代女性では25%に、30代女性は15%にまで減少してしまう。40代女性以降は1桁%しかいない。

男性だと10代男性が最も高いがそれでも19%ほどしかいない。20代以降は1桁%と壊滅的である。

こうした数字を見てみると、どのようにまとめるのかはメディア側の自由なのだが、元記事のまとめ方はそれでもシーインにいささか好印象の下駄をはかせているように見える。

細かく年代別に答えを見てみると、シーインは日本人にはそこまで知名度があるわけでもなく受け入れられているわけでもないことがわかる。せいぜい支持しているのは10代女性くらいだといえる。

10代女性に支持されているという点においては「Z世代ガー」は勢いづくかもしれないが、アメリカと違って日本のZ世代は人口が少ない。40代以上に支持された場合と異なり、そこまで売上高は伸びにくい可能性が高いと考えられる。

とはいえ、いずれ中高年層は死に絶えるから、Z世代の取り込みは必要不可欠だが、アメリカ市場でのような成長曲線は日本国内では描けないだろう。

ちなみに、心斎橋の期間限定店で見た限りにおいて、シーインの商品は多くは生地のクオリティが低く、あれならジーユーの値下げ品でも買った方がマシであると当方は断言する。

「シーインの日本国内売上高は300億円」というのが、今回のアンケート結果か考えても妥当な額ではないかと思う。

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