モダンな造形美を携えて

表参道・原宿には花が似合う。有名店から個性あふれるお花屋さんが点在しているためか、花束を持って街を歩く人の姿も珍しくない。その手にブーケがあるだけで、いつも歩く見慣れた景色も違って見える。一方で、表参道・原宿という街のフレームが一層、花の魅力を際立たせてくれるような気がする。花束と表参道・原宿の景色を重ねて、贈る誰かを想像したり飾る場所を考えたり。気持ちを咲かせる、花と街の風景。

個性と色気が調和するトロピカルブーケ

Made by logi plants & flowers

テーマ：個性的なかたちとビビッドな発色のモダンブーケ

使ったお花
バンダ（翡翠蘭）、アンスリウム、グズマニア、カラテア

コンセプト
「湿度や気温が上がって、夏に向けて色づいていく表参道の雰囲気にも合うようなブーケです。アンスリウムやグズマニアなど大きいものを使って、モダンでトロピカルなイメージのブーケをデザインしました。バンダを中心に、ビビッドなカラーリングを意識してlogiらしいエッジの効いたブーケに仕上げています。バンダは日本産のもので海外のものより紫と白の色がくっきりと分かれているのが魅力です」

撮影に協力してくれたお店：logi plants & flowers

Maison Kitsuné AOYAMAがある南青山の路地の途中にあるフラワーショップ。空間ディスプレイやCMなど広告関連の装花も幅広く手がける、フラワーデザイナー宇田陽子さんとディレクター岸大介さんを中心に、“ココロニノコルハナ”をコンセプトとしている。店名には道の途中を指す「路次」、管理されたハウス栽培の対義となる「露地」をかけ、英単語の「Logic」の「c」を取ることで理論や定義に囚われないという意思が込められている。花そのものの造形や、花の持つありのままの強さ、毒々しさを表現したセレクトやデザインが特徴。アーティスティックなアプローチとラインナップが魅力だ。

ブーケができるまで：Behind the scenes

logi plants & flowersの花たちは艶と色気を伴って、一見して個性が際立つ。そんなlogiの個性はブーケにも反映されている。花の持つありのままの強さと毒々しさをコンセプトにしているだけあって、数は少なくともそのひとつひとつから、ダイナミックな迫力と生命力を感じる。梅雨を経て、夏に向けて色どりが豊かになっていく街や人のエネルギーを象徴しているかのようだ。

珍しい色のバンダ、大きなアンスリウム、パイナップルの仲間だというグズマニア、そして質感が面白いカラテア。どれも湿気を伴う、アジアの南国を思わせる。表参道にいながら異国を感じるブーケを、logi特製のフラワーバッグで包めば、旅に出かけたくなような、アグレッシブな気持ちにさせてくれる。

ブーケを制作してくれたフローリスト：Florist introduction

松本幸恵（まつもと さちえ）：logi plants & flowers スタッフ。もともと原宿エリアでアパレルの販売員として働いていた経歴を持つ。花を贈ってもらう機会があり、自分でも意外なほど嬉しい気持ちになったという経験から、自分の手で作ったものでお客さんに喜んでもらいたいと花屋へと転職。logi plants & flowerの求人を目にして応募。受からなかったら地元に帰るつもりだったという彼女は、持ち前のセンスと独創性を磨き表参道・原宿の街でフローリストとしての経験を重ねている。

■logi plants & flowers
住所：東京都港区南青山 3-14-10
電話：03-3403-0535
営業時間：12:00-19:00
定休日：木曜日
URL：logi plants & flowers オフィシャルサイト

Text：Tomohisa Mochizuki
Photo：OMOHARAREAL 編集部